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| ようやく寒さも和らぎ、暖かくなってきました。桜の蕾もようやく膨らみ始めますね。 |
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| 春を愛でる和菓子の１つに、草もちがあります。 |
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| 気取らず、家庭でも簡単に作ることができる草もちは子供にも人気ですね。 |
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| 草もちに使うよもぎは、春になると新芽を出します。 |
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| その軟らかい新芽や若葉を摘んで草もちにするのですが、 |
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| おいしい草もちを作るには、よもぎのアク抜きが必要です。 |
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| よもぎはよく洗い、重曹を入れた熱湯でさっと茹でます。 |
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| ただ、やわらかい新芽の部分だけならばさほどアクもないので、 |
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| 重曹は入れない方がいいと思います。蓬の香りが飛びすぎてしまいますから。 |
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| そして茹でた後は水に1時間ほどさらし、水気をよく絞ってから包丁で細かく刻み、 |
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| さらにすり鉢ですり潰します。 |
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| それと蒸した生地をよく混ぜ合わせ、あん玉を包んで草もちにするのです。 |
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| 子供の頃、確か母が草もちを作ってくれたことがあったと思います。 |
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| 正直、どのようにして作っていたのかは覚えてないのですが、 |
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| ぼんやりと裏の空き地で母と一緒によもぎを摘んだことは記憶に残っています。 |
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| というのも、摘んだよもぎの裏をふと見ると、びっしりとあぶら虫がついていたからです。 |
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| ふと摘んでいた右手の指を見ると、潰された虫の体液が爪の間に入り込んでいて･･･ |
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| 背筋に怖気が走り、声を出すこともできず、 |
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| せっかく摘んだよもぎを放り出してしまいました。 |
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| そのことは鮮明に覚えているのですが、その印象があまりに強すぎて |
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| その後の草もちにする工程のことはもちろん、それを食べた記憶さえ残っていません。 |
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| 田舎の祖父母の家の周りの蓬はそれほど虫がいなかった気がするのですけど、 |
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| 都会には他においしい草が少ないのかもしれませんね。 |
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| よもぎは『ハーブの女王』と呼ばれるほど優れた薬効効果があると言われています。 |
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| 食べてよし、塗ってよし、嗅いでよし、浸かってよし、燃やしてよし、 |
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| の五拍子そろった薬草だそうです。。 |
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| 咳止め、下痢止め、解熱などの効能があると言われていますが、 |
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| 特に有名なのがお灸のもぐさです。 |
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| 意外と知らない方も多いのですが、蓬の裏側の綿毛のようなものが、もぐさの原料になります。 |
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| お隣の韓国では、最近『よもぎ蒸し』と呼ばれる健康美容法が流行っているとか。 |
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| 日本でも秘かなブームだそうですよ。 |
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| 今年はレッスンに草もちを取り入れて生徒さんと一緒に作ったのですが、 |
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| 皆さん春の香りに目を細めていらっしゃいました。 |
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| 春を知らせるよもぎの香り、ぜひ大切に楽しみたいですね。 |
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