食べ聞かせ



「松茸ごはん」


秋の味覚の王様といえば、松茸ですよね。
秋真っ只中の今、市場にも色んな産地の松茸が出ていますね。
松茸は今でこそ高級食材の1つですが、
50年ほど前までは今ほど高価な食材ではありませんでした。
母が言うには、子供の頃は裏山でカゴにいっぱい取れて、飽きるほど食べたとのこと。
今からするとなんて贅沢なんでしょう!
 
子供の頃、誕生日前になると母が「誕生日に何がたべたい?」と聞いてくれました。
私はいつも迷わず「グラタン!!」と答えていたのですが、
必ずといっていいほど誕生日当日は松茸ご飯でした。
というのも私の誕生日は10月で、ちょうど松茸のシーズンだったからです。
今となっては有り難い話ですが、子供に松茸の真の美味しさ・有り難さが、
わかるはずもありません。
「じゃあ最初から何が食べたいか聞かなければいいのに・・・」と、
子供心に何度も思いました。
罰当たりな子供ですね(笑)
 
さて、松茸の美味しさというと、やはりその香りですね。
松茸はカサは開くほどに香りが増します。
とはいえ、開きすぎたものは香りが飛んでしまっているので、
「開き気味」のものが良いとされています。
次に、松茸の表面がしっとりしていて、乾燥していないものを選びましょう。
最後にカサの裏側を見て、ひだが白く、整然と整っているものを選んで下さい。
安価なものはやはり香りが少ないので、その分贅沢にたくさんの量を使いましょう。
そうすれば十分おいしい松茸ごはんを楽しむことができますよ。
 
今も誕生日が近くなると、松茸ご飯の香りを思い出します。
私の誕生日は松茸の香り。
母の愛に溢れた、温かいご馳走でした。
 
 
 


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