食べ聞かせ



「秋刀魚」


秋の刀の魚と書いて、「さんま」と読みます。
名前の通り、秋を代表する旬の味覚の1つです。
秋刀魚という名は元々「さわんま」、
 
つまり大きな群れを意味する『沢』と、魚を意味する『ま』とを結びつけた
群魚というところから来ています。
それが短くなって、「さんま」と呼ばれるようになったのでしょうね。
 
秋刀魚は、動脈硬化を予防する働きのあるDHAやEPAを多く含むだけでなく、
ビタミンA、カルシウム、鉄分などの栄養素を豊富に含みます。
美味しく、栄養満点で、さらに安い、という三拍子揃った、
まさに庶民の味方の大衆魚ですね。
 
秋刀魚の美味しい食べ方というと、なんと言っても塩焼き。
「秋刀魚は肝を食べるもの」と言われるほど、
新鮮な秋刀魚の塩焼きの肝はとろっとして美味しいものです。
ほのかな苦味がお酒の肴にぴったりで、日本酒にもよく合います。
しかし、秋刀魚は痛みやすい魚なので、
水揚げされてから時間が経てば経つほど自己消化が進み、
肝も苦くなってしまいます。
美味しい肝を味わうためには、新鮮な秋刀魚を手に入れることが大切です。
 
脂の乗った秋刀魚を塩焼きにするとき、気になるのがその煙です。
昔は、近所で秋刀魚を焼いている家はすぐにわかったほどでした。
秋刀魚はなぜあんなに煙が出るのでしょう。
 
それは、焼いている内に、秋刀魚の脂がじんわりと垂れて、
下にある炭や火にかかって、燃えてしまうから。
ガスの魚焼きグリルから黒い煙がもくもくと立ちこめ、
火災報知機が作動してしまった!なんて話も昔はありましたね。
(今の報知器は優秀なので、魚の煙には反応しないものもあるそうですよ)
 
とはいえ、フライパンで焼くと、脂でギトギトの塩焼きになってしまって、
あまり美味しくない、という声も聞きます。
ただ、旬の走り、8月末から9月中旬頃の秋刀魚は、
まだ脂が乗り切っていないので、フライパンで焼いても、
程よい脂が残って美味しく頂けると思いますよ。
昔から、美味しい秋刀魚は、厚みがあり、背びれ側の頭の後ろが盛り上がっていて、
口が黄色いものが良い、と言われています。
これからどんどん脂が乗って、
10月中旬から11月くらいが最も味が乗ってきますので、
我が家の食卓でも秋の旬を味わいたいと思います。
 
 


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